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# 野口里佳「マラブ・太陽」@ギャラリー小柳
銀座に行ったついでにギャラリー小柳に立ち寄る。エレベーターを降りたら、いきなり暗い……あれ?今日ってお休み?ギャラリーを覗き込むと、暗い空間の奥に広がる壁には、ぼんやりと光があった。暗い中で作品だけ光によって浮かび上がっている。フラフラと中へ入って行く我々。今回の展示は写真家・野口里佳の「マラブ・太陽」。いつもお知らせをいただくのだが、その写真の絵だけでなく、この「マラブ」がどうにもこうにも引っ掛かっていたっけ、と思い出す。

写真には鳥が一羽写っている。撮る側と撮られる側は常に一定の距離を保っていて、撮られる側が撮る側を意識している様子もないし、撮る側もそれ以上被写体に近づく様子もない。その鳥がいる場所には木々があり水場らしきものもあるのだが、妙に人工的な空間で後に建物が写っていたりもする。すべての輪郭が曖昧で、ザラリとした質感。でも粗いというわけではなく、その“ザラリ”は目に見えないほどに細かい粒子の集まりという印象だ。それを写真という媒体が、ここで封をしている。よく、料理で表面に火を通して旨味を閉じ込めますとかいうけど、そんな感じかなあ。で、ナイフを入れるとジュワッと肉汁が出て来て、わー、みたいな。……なんか自分のアホさ加減に嫌気がさしてきた。「なんだか不思議だねー」と言い合いながら、引き込まれてゆく。ここの写真にあるのは、鳥の静かな佇まい、正午だったり遅い午後のようだったりする太陽の光、人工的な木々の明るさと暗さ、少し乾いているような空気──写っているものと実際には写ってないものの、さまざまな気配がある。絵のようであって、絵ではない。なんで絵のようなのに絵ではないかというと、作家が野口里佳だから写真でしょ、ではなく、やっぱり絵ではないのだ。「なんだか幻想的だね」とか単純な表現を口にしてみるが、ファンタジックという意味での幻想的ではなく、揺らぎ感がそれに近いかも。ピンホールカメラだからじゃないの?と言われれば、うーん、それもあるのかなあ、うーんと歯切れの悪い返事をしてしまうだろう。長時間じーっと見ていたわけではないのに、今もあの感じが思い出せる。作家の意図を無視して極私的感想でいえば、媒体/媒介としてとても優れていると思うし、という視点はあたしの好みかどうかという点しか示してないのだが、好きだなあ。

ちなみにマラブというのは、コウノトリの一種、らしい。そして撮影されたのはベルリン動物園だった。なるほどと距離感等に合点がいく。

11/30まで。ご興味あれば、是非是非ご覧くださいまし。

★針穴写真を撮るヒト、morioさんもご覧になったらしい→コチラ
| comments(2) | trackbacks(1) | 02:30 | category: 美術 |
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コメント
料理に例えるなんて面白い。
野口里佳の写真は見えるものではなくて、見えない気配を写していると思っています。これまでの『鳥を見る』とか『In-between』とかでも、一目で釘付けにされるような被写体頼みの写真はまったくありませんでした。つかめそうでつかめない朧な世界がもやもやと広がるばかりで、そうしたところが針穴写真と結びついたのかもしれません。そう勝手に思っているだけですけど。
| morio | 2007/11/11 7:31 PM |

>morioさん

いや、料理に例えきれなかった……。
野口里佳作品をがっつり見たのは今回初めてだったのですが、とても興味をそそられました。

>『鳥を見る』とか『In-between』とか
是非見てみようと思います。

そうでしたか、morioさんはマラブ状態でしたか。
(と、情報クロスしてコメント返し)

実はmorioさんのブログを拝読した際、morioさん、よくあのギャラリーにお一人で辿り着けたなあ、ご同行の方の道案内なしでは難しいだろうなあと密かに思っていたもので、彷徨ったお話を伺って嬉しかったです☆

って、どんなレスだよ…。
| タコ | 2007/11/11 8:07 PM |

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[写真]野口里佳「マラブ・太陽」
野口里佳がピンホール写真を撮っているということを何かの雑誌で読み、ぜひともこの目で実物を見たいと願っていた。今月、銀座のギャラリー小柳で開かれる日本での三年ぶりの個展が、まさにそのピンホール写真を披露するものであることを知り、狂喜乱舞する。 art-inde
| 東京たるび | 2007/11/11 4:31 AM |
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