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# 成長するのは我ばかりでなし。
肥ゆるのは、あたしばかりではない。ここ数日、雨が降ったりしていたからか、行き帰りに目にする植物の勢いがいいような気がする。水を注がれ、太陽に照りつけられ、植物のギラギラとした生命力を感じる。あたしも水を注がれ、太陽に照りつけられたい方だ。なんだかとっても羨ましい。道路脇の植え込み、街路樹。歩道は広いのについつい植え込みに沿って歩いてしまう。目は脇の緑に吸い寄せられ、前なんて見て歩いてない。そこへ自分の名前が呼ばれ、ハッと我にかえることしばしば。会社の人が前から歩いてきても気づかない。花の名前は詳しくないのでわからないが密生して咲く小さな花がかわいい。その小さな花を覗くたび、沈丁花を思い出すのだ。沈丁花、その中国由来の名前が好きだ。あの強過ぎる芳香も好き。あの小さいくせに肉厚な花の感じも好きだ。もう沈丁花の季節はとっくに過ぎたというのに、毎朝その小さな白い花をみるたびに沈丁花を思い出し、鼻腔の奥に一瞬あの香りを嗅ぐ。最近はそんな毎日だ。

春は種まきをする余裕もなく、初夏はあっという間に過ぎ去ろうとしている。来たるべき夏の遊びに向けて、浮き足立っているかのようだったが、この落着かなさは成長期だからではないだろうか。今日、仕事しながらふと思った。すでに思春期を迎えた身、ではなく、とっくに思春期から遠ざかった身である。成長イコール老いなのか。しかし、きっとあたしは成長期。ほら、こうしてまだまだ肥えていくではないか。いや、自虐はやめよう。とにもかくにも落着かなくなって、仕事帰りにスーパーで安い鉢を買うことにした。夜10時。空いている店はスーパーしかない。財布をのぞけば1500円。何か買おう。何かの植物をあのスーパーの劣悪園芸コーナーから救い出してやろう。そう決意した。

スーパーの園芸売り場は入口脇、一日中日の当たらない一角にある。園芸売り場のすぐ脇は喫煙コーナーだ。こんな時間に園芸コーナーに佇んでいる人間は1人しかいない。葉に顔を近づけてじっと眺めたりしているもんだから、怪しかったのだろう。数人の視線を感じたがこちらは真剣なのだ。ここで買う植物はたいてい株から弱い感じだ。「生まれてこの方、愛情なんて知りません」といった孤独感を漂わせている下層植物たち。ここで買ったことは今までたった1度だけ。アジアンタムを買った。売り場の端に放置されていたのを105円で買ったのだが、それはそれはよく育ち、800円相当になった。今年の冬、無断で母の手で葬り去られたのだけれども。あたしが気づけば何とかできたのにという気持ちがいまだに強く、まあ多分何もできなかっただろうけど。安価だけどすくすく育ったアジアンタムの継承者をここで探すのはいいだろうと思った。ここには華やかでファッション性の高い品種なんてありゃしない。それよりも元気に育ち、日々、生命力を感じさせてくれることが第一なのだ。4畳半くらいのスペースをぐるぐる廻った挙げ句、2つ買った。500円ちょいのカラジウムと200円ちょいのシュガーパイン

2000円もっていたら、大好きなブーゲンビリアを買っていたに違いなく、お金をおろさなかった自分を、今日のところは褒めてあげたい。しかし、ブーゲンビリアの鮮やかなフューシャピンクが瞼から離れない。おまけに至る所にブーゲンビリアが咲いていたエーゲ海の島々の光景──燦々と照りつける太陽と潮の香り、白壁と青く塗られたドアや窓枠、灰色の石畳、太ったおばちゃん、路地を我が物顔で行き来するノラ猫──いろんなものまで見えて来る。ああ、明日買うだろうなあ。連日スーパーで鉢を買う女になるだろうなあ。

800円の買い物をぷらぷら下げて家に戻ると、目の前の空き地にノラ猫が4匹ちょこんと座っていた。ミコノスのノラ猫ではなく、場末のノラ猫。孤独な住人たちが夜な夜なエサを持ち寄って可愛がり、よく肥えたノラども。キラキラした瞳であたしをじっと見ていた。この袋には食べ物入ってないのだと日本語で諭すと落胆気味である。ブーゲンビリアを買ったらこのノラどもは喜ぶだろうかと思ったが、よく考えたらヤツらはエーゲ海も知らなければ、海も見たことない、川も見たことない土着ネコ。この街で成長してどこかでひっそり死んでいく存在。また、近所を徘徊する10匹以上のノラのうち、どれか2匹は我が家の2階で無断で産み落とされた兄弟に違いなく。

あたしも植物もネコたちも。いざ成長、の夏が来る。
| comments(3) | trackbacks(0) | 00:31 | category: ハードコア園芸 |
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コメント
一気に書いたら言葉が足りな過ぎて、箇条書きメモみたいだ。こんなにダラダラ長いメモもどうかと思うけど。
| タコ | 2007/06/28 12:49 AM |

わたしの通ってた某三流私立大学の第二校歌に沈丁花がでてくるけど、そんなのキャンパスでみかけたことなかったなー。

わたしもブーゲンビリヤやハイビスカスが咲いているととってもうれしくなります。タコさんはハイビスカスが似合いそう。

去年の今頃はマンゴーを植えて、結局、冬が越えられずに全滅させてしまったんですが、今年植えたラベンダーはテヘランの夏を乗り切れるだろうか…
| ヒカルド | 2007/06/28 7:43 PM |

わーい!ハイビスカス大好きです!
祖父がハイビスカスを育てていて、小さい頃から大好きな花でした。
でも上記スーパーに1鉢だけあったハイビスカスは色が薄そうで(開花前)、買う気になれなかった。

テヘランのラベンダー。生育環境的に難しそうだなあ。
| タコ | 2007/06/29 2:39 AM |

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