本日も資料探しという名のもとに丸善日本橋店を徘徊。大学の頃はよくここの洋書・美術書売り場をぷらぷらしたもんだ。銀座をぷらぷらした後、てくてく歩いて日本橋に来て、丸善をぷらぷら。年齢層が高く、とても落着く店だった。本店がOAZO内に行くと聞いた時は、丸善の歴史を台無しにされたようなショックを受けた。そして先々週、ここの丸善は日本橋店という支店のひとつとなって帰ってきた。
午前中だからか以前の丸善に比べて人が少ない気がする。白と濃い木目の店内は前よりゆとりのあるレイアウトで、落着いた印象。店舗デザインはOAZO店と同じコンセプトだと思う。本以外のところに極力色を使わない工夫が見られる。別に店舗デザインを見に行ったわけではないのだが、実はトイレに立ち寄ろうとして強くそれを感じた。普通、トイレのマークは男が青で女が赤。しかし、そのマークが両方とも黒だったのだ。一瞬とまどい、サインのフォルムをしばし凝視する。いつも赤を見ると躊躇せずにドアを開けていたのだな。習慣とは本当に気づかないうちに刷り込まれているもんだなあと感じた。ちなみに本店のハヤシライス(ここが発祥の地)も健在。
ブックカバーは至ってシンプルでありながら、丸善ブランドを前面に出すようなデザイン。日本橋店オープンを機にこちらに統一したのか、それとも丸善発祥の地としての格式を保つためのデザインなのか。“丸囲みのM”マークが裁ち落とされているところに勢いを感じるが、MARUZENという文字は裁ち落とさないでくれ、とかあったかもなあ。とかいろいろ想像してみる。ちなみに、紙においても上を“天”、下を“地”とよぶ。あるデザイナーさんは「紙においても天という空間は神聖なもの。なるべく上に余白を作るようにしている」と言っていた。「上に余白を作ることで、知的なデザインになる」とも。これを見ると、たしかにこの余白は知性を感じさせるかもしれないな。
カバーでは創業者・早矢仕有的の紹介やら丸善の方向性も語られている。