ある文学賞に70代の女性が応募してきたらしい。その小説は言語感覚がぶっ飛んでいて、ちょっと実験小説のような作品だったらしい。出版社の人が家に電話すると、その女性は「あら、私、応募したかしら?」と言う。そのうち「あー、応募したかも…」と思い出したみたいだ。後日電話をすると、家族の人が出て「最近、ちょっとボケ気味なんですよ」と。アルツハイマーの人に小説を書かせると、言語の実験的にはかなり面白い作品ができそうだ。
先日、三國連太郎主演の「恍惚の人」をテレビで見た。家族(夫婦&子供)と叔母が惚けたお爺ちゃんを前に途方に暮れ、話し合いをしているシーンでのお爺ちゃんのセリフ。「あれ、みなさんお悩みごとですか?私に何でも相談してくださいよ。みなさんより長く生きてるんですから!」に爆笑する。あなたが悩みのタネなんだよ!って感じだ。うちの祖母も言いそうなセリフ。
うちの祖母が亡くなって8か月。過去の話だからか、祖母を思い出しながら、とても懐かしく、ゲラゲラ笑いながら見られた。襖になぜか湿布が貼られていたり、靴が冷蔵庫に片付けられていたり、かなりシュールだったよなあ。