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# 素っ頓狂な与太話
帰りの電車が目的地の直前で急停車した。そのまましばらく動かなかった。駅まではあと20秒以内だったはずだ。駅から5分かからないところに住んでいるあたしは「ここで人身事故で降ろされても、家まで10分かかんないや」と思う。1分くらいで電車は再び動き出した。「人身事故のため……」というアナウンスがあり、電車の行き先が急に変わり、残り10駅くらいあったはずのところ、1駅しか走らないことになった。リアルタイム人身事故か?と思ったが、帰宅してニュースを見ていたところ、事故が起きたのは乗る4時間も前の話だった。ただダイヤが乱れていただけのことだったようだ。途中に止まった事故が起きた駅のことはよく覚えている。たいへん眠かったこともあり、その駅は覇気や生気がなく見えた。生きているか死んでいるかわからないような覇気や生気を感じさせない人間がホームに3人ほど見え、するするっと別のドアに吸い込まれていったっけ。

大学生の頃だったか。日比谷線の仲御徒町駅で友人と電車を待っていた。今でこそマシになったが、当時の仲御徒町駅は暗く陰気な空気が漂い、下水道に佇んでいるかのようだった。友人が「この駅って、なんか空気が淀んでる気がするでしょ。“出る”らしいよ」と不安げに話し出した。「確かに出そうだよねー」と適当な相槌を打っていたあたし。しかし、友人の右肩越しに遠くを見たまま、まばたきせずに「あ!」と声を上げた。「ちょ、ちょっと……なに?」と、泣きそうな顔であたしを覗き込む友人に、あたしは言った。「後、絶対振り返らない方がいいと思う。マジで」。後から知ったのだが、この駅でかつて飛び込みがあった際、ホームにいた何人もの人が見ているにも関わらず、飛び込んだはずの女性の死体が出て来なかったことがあるらしい。都市伝説か?

先週あたりだったか、お盆の水難事故の件数が新聞に出ていた。夏休み全体では昨年比で減っているのだが、盆休みに絞るとその数は増えていた。よく聞くのは、お盆になると海に水死者が戻ってくるため、泳いでいると足を引っ張られたりすることがあるため、この期間は水難事故が増えるいう話。子どもの頃、テレビで見たのは、海に飛び込む写真を撮って現像したら、海から無数の手が伸びていて飛び込んだ人間を捕まえようとしていたという話。それがトラウマになっているわけではないが、海で泳いでいるときに大きな海藻がベタッと足に絡むとドキッとする。

小学生の頃、本で読んだドーバー海峡横断の話に触発されて、いつかドーバーを泳いで渡ろうと決意した。しかし、19歳の冬、フランスからイギリスに行く際はあっさりフェリーで渡った。20歳の夏、トルコからギリシャまでエーゲ海横断だ!とトルコ人の友人と勇んで海に繰り出した。しかし、途中でへこたれた彼女は「ギリシア人は最悪だからギリシャには行かない方がいい。殺される」と言い出した。まだまだ元気なあたしは「ギリシア人なんて怖くないよ、あたしトルコ人じゃないし」となおも泳ぎ続けようとした。すると「これより先に行くとサメが出るからやめよう」と言いだした。仕方なく、このヘタレめと思いながら岸に向かって泳いだ。例えば日本に来た外国人が無茶な遠泳をした際「日本では今、死者が帰ってくる季節なの。海の中から足引っ張られるんだよ」なんて言ったら、けっこう効果テキメンなんではないかと思う。

そういえば最近、夏の怪談ってあんまりテレビでやらない気がするんだけど、これはあたしが家にいないからなのか、現実の事件が陰惨すぎて嘘かホントかわからないような怖い話がけしからんという風潮なのか。現実ではないかもしれない怖い話は最早不要で、その代わりに3流タレントがうじゃうじゃ出て来て、薄っぺらい内輪話にわいわい興じる番組を見せられてるとしたら、ひどく貧しい気がするし、ひどく窮屈な気がする。いつかとてつもなく深い穴を掘って地底人に会いに行きたいと思い、いつか魔のバミューダ海域で行方不明になって何かを見たいと思い、いつかブラックホールに吸い込まれてみたいと思い、いつかUFOに連れ去られるのを心待ちにした子ども時代だった。リアルと紙一重の作られた現実に包まれるくらいなら、真顔で語られる素っ頓狂な与太話の方が今でもいい。
| comments(4) | trackbacks(0) | 02:57 | category: 雑記 |
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コメント
この手の話は負けないぞっ て霊感まったくないんだけど。
なんてたって「消える」ためにバミューダまで行ったもん。
いまだチベット・ラサのポタラ宮の地下からバチカン市国まで
地下通路があると信じておりやす。
「海から無数の手」の話は、昔ユーミンのオールナイトニッポンで
ラジオで聴いたので、想像力が喚起され余計怖かった。

最近のテレビというか、日本って「バカ」を良しとしてるけど
正直「偏差値低い」「低脳」「頭悪い」って感じなんだけど。
| | 2008/09/04 1:56 PM |

>名無しさん

名前はなくても、消えるためにバミューダ行く人間で思い当たるのは1人。違う?

あたしは映画『アンダーグラウンド』の地下通路を見た時、あ!あたしの通路!って思ったよ。
ポタラとバチカンが繋がってるのとはちょっと異なるけど、夢の中でも見て「左手に伸びてる道を行けばギリシャね」なんてことを思いながらトコトコ歩いてました。

あたしも低能に賛成。弛緩しすぎ。
| タコ | 2008/09/05 12:44 AM |

あっ ごめん、僕。
| マリリン | 2008/09/05 2:11 PM |

>マリリン

わかってるよん。
| タコ | 2008/09/06 3:00 AM |

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