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# 血と骨。
「血と骨」は見ごたえのある映画だった。観た後にペラペラ感想を語りあえず、ズドンと落ちる映画だった。

北朝鮮から大阪へ渡り、強姦まがいで妻を娶り、暴力を盾に周囲を黙らせ、家の目の前に愛人を囲い、人を殺すことさえ屁とも思わない主人公。淡々と行なわれる豚の屠殺や蛆虫の付いた生肉を平気で食べる姿も人物像にさらなる凄みを加える。包丁を持って主人公のいる銭湯に殴り込む息子を、全裸で対し屈服させ、首根っこをつかんで湯舟に押し付ける姿。家を全壊させてしまうような暴力の数々。あまりの凄まじさにあきらめのような笑いを憶える。実際、何度も笑ってしまった。しかし、そのおかしみの裏にあるのは、主人公の孤独であり、笑いと同時に哀しみを感じる。これを演じられるのは、たけし以外に考えられない。

力と金で周囲を屈服させてきた主人公がぶつかるのは、老いの壁だ。娘が自殺した後の葬式に遅れて来た主人公は、「俺の娘を出せ!俺の娘はどこだ!」と暴れる。さんざん暴れた後に、倒れ、体が麻痺してしまう。そして、その時には身内でさえも助けてはくれないことを知るのだ。哀しい話だと思う。涙が出た。強烈なキャラの主人公だが、愛情を素直に表す方法を知らなかったのだろう。突っ走って来た後には、時すでに遅し。この家族はなんだったんだろう、この人の人生はなんだったんだろうか?と思う。そこから一切の答えは導きだされないのだけれど。

在日朝鮮人一世を描きながらも、直接的な日本人からの差別は一切描かれていないのも印象的だった。朝鮮人部落の張り紙だけが、日本社会での朝鮮人の微妙な立場を語っているだけだ。差別と被差別、という短絡的な描き方をしなかったところに、物語の深みは増している。しかし、自然にそれは見え隠れせざるを得ない。同じくこの映画を観た父親は「観ているうちに、昔のイヤなことをいろいろ思い出した」と言っていた。父親はこの息子(原作者)と同じ世代だが、うちの周囲にはやはり朝鮮人部落があり、中国人の親を持つ同級生がおり、いわれのない差別を受けていたという。父はその同級生と仲が良く、その家の苦しみを直接的に知ってい。うち自体は経済的にも苦労せず、比較的真っ当な家のため、その家のお母さんに感謝してくれていたそうだが、お母さんは中国人と結婚したがために子供にも恨まれ、ほとんどの子供が自分の元を永久に去ってしまう生涯だったらしい。

とはいえ、これは在日だから、という類の話しでないのは明らかだ。一人の人間の生きざまを通して、いろいろな感情が入り交じった気持ちを抱えさせられる秀逸な映画だと思う。そして、とにかくビートたけしの演技はひたすら凄かった。
| comments(4) | trackbacks(2) | 21:53 | category: - |
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コメント
週末観るか迷って、でも「ビッグ・フィッシュ」観ちゃったもんで、今週は見送り・・絶対観るね!そしたら語ってよい?
| オタフク | 2004/11/22 11:29 AM |

ウワサに違わずすごそうな映画!でも観たい!金曜仕事帰りのレイトショーとかに観ると凹みそうで、いけてないんだけど・・・
| いか | 2004/11/22 7:20 PM |

すんごい観る気まんまんだったんだけど、
感想読んだら観るの怖くなっちゃった、、、。
すっごい落ちそう・・・。んで復活できなそう。
でも観てみないとなんとも言えないし、観るね。多分。
| norico | 2004/11/22 9:51 PM |

観て観て!語って!
そして一緒に語ろう!
| タコ | 2004/11/24 1:53 AM |

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血と骨
一番面ずつを見るのではなくて、このストーリー全体をぜひ感じてほしい そう思った映画でした。 本日、ビートたけしが主演する映画「血と骨」を見に行きました。 鑑賞しようと思った直接のきっかけは、突破者で有名な宮崎学氏のウェブ サイトで、この映画を薦めるコ
| Hit Town Seeing | 2004/11/21 1:32 AM |
血と骨
崔洋一監督の「血と骨」。原作は、梁石白(ヤン・ソギル)の自伝的小説。 とにかく壮絶で、重く、暗い映画でした。 ビートたけしを始めとして、俳優陣の演技が良かったのは、もちろん、美術セットが、細かなところまで、よくできていたことに感心。戦中、戦後の大阪の
| distan日誌 | 2005/01/07 2:01 AM |
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