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# 田村隆一展へ行く
今朝は起きたら10時をとうに過ぎていた。のこのこ会社へ行くと、周囲の人間も寝坊したらしく「11時まで寝ちゃってびっくりした」「11時半に目が覚めてびっくりした驚いたよ」という被害報告多数。今日は地球の何かが狂ったのだろうか。みんなの周りでも同じようなことが起きていたのだろうか。ニュースを見たが、そのことには触れずじまいだった。

現在、鎌倉文学館で、田村隆一展が開かれている。田村隆一は大好きな詩人のひとりで、今回これが開かれているという話を聞き「絶対行く!」と宣言していたら、関係者の方に招待券をいただいてしまった。田村隆一はおろか詩の話すら友人とあまりしたことはなく、少々遠慮気味にヒデさんとクーシュカに行きたい旨を伝えたのだが、快く付き合ってくれた。恥を忍んで告白すると、タコ壺というこの名前は一瞬の思いつきとはいえ、かなり自虐的に付けたタイトルだ。意味は言わずもがな、かもしれない。数年何事もないように続けているようだが、一度だけタイトルを替えた。腐敗性物質とした。ご存知の方はご存知の様に田村隆一の詩からとったものだ。自分としては思いを込めた言葉であり、それゆえ、その拝借した大きなタイトルの前に何も書けなくなった。数日であっさりタコ壺に戻した。戻さなければ、書く内容や文章のトーンは変わっていたかもしれない。いや、変らないか。

そんな自分の話はどうでもよくて、田村隆一である。長身でスラリとした体躯、ダンディな出で立ち、酒を愛した人、洒落ていながら鋭い言葉を繰る詩人……そんなイメージがあるかもしれないが、その美意識というかダンディズムに囚われていると田村隆一の詩の本質をスルッと見逃すことになり、だいたい自分は他人と田村隆一の話なんてしたことがないので、どういうイメージを持っているのか知らないのだが、田村隆一は知っているけど知らなかった人にとって、この展覧会はとても有効ではないかと思う。鎌倉文学館自体が小さいところで、その展示の半分は常設であろう鎌倉に関連する作家たちの資料である。田村隆一の展示は小さな2部屋だけだ。しかし展示の編集とテキストは後藤繁雄、アートディレクションとデザインは中島英樹と、やたら豪華だ。ボリューム的には小さいが、後藤繁雄がとった編集方法とそのテキストは、田村隆一によく合っていた。というか、自分より後藤繁雄の方が何百倍も何千倍も田村隆一を知っているのだけれども。中島英樹のエッジの効いたデザインもよかった。

田村隆一が残したたくさん詩の中から、後藤繁雄は「言葉・世界・物」「詩と白」「死とエロス」「肉眼」「旅人」「酒」「生と生活」「時」「自然と鎌倉」「荒地で」というカテゴリーを切り口とし、それぞれで詩をいくつか紹介していた。ひとつひとつ読み、感じ、考え、反芻していくと半日以上は掛かってしまうかもしれない。それはあとで田村隆一の詩集を買って読めばいいと思う。展覧会で紹介したのは60篇だそうだ。

“はじめに”の長い文章の中にもあったように、展示は田村隆一の「生々しさ」を伝えることにフォーカスされている。何度もいうようだが、ボリューム的には少ないものの、良質な展覧会だった。生きることを見つめ自らも生きた詩人の言葉は、鋭く強く優しい。これを見た少しでも多くの人が田村隆一の詩集を手に取るといいなあと思う。言葉に敏感でありたい、言葉の力を信じると言いたい人は少なくないと思う。そういう人こそ、1冊の詩集を徹底的に読むべきだと思っている。血反吐を吐くように言葉と向き合う真摯な姿勢に、商人や趣味人は到底叶わない。せめても自分たちのレベルで真摯に向き合うことはできるかもしれない。しかし、言葉よりも前に生があるだろう。言葉ばかりを考える前に、精一杯生きやがれ、とたまに言いたくなる。
| comments(0) | trackbacks(0) | 05:21 | category: 言葉/言語 |
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