<< November 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
<< ある晩のディナーはミリメシ | main | 千鳥ケ淵の夜桜 >>
# ピナ・バウシュ公演2008
週末、父親と会ったときに“悩みが多く気分がすぐれないのよー”とこぼしつつも、来週、友人Kの弟君と、仕事で彼らの実家近くに行くのだという話をした。そして、Kの弟君に「実家に寄って『娘さんをください』と言ってくれ」といわれたことを話した。あの姉をもらってくれるのはあたししかいないとも。そりゃそうだ。あくまでも冗談として父親に話したつもりだったのに、「おまえはKさんと仲がいいんだな」というので「そうかもしれない」と答えると、父はいつになく思案顔で黙った。そして、「おまえはそのことで悩んでいるのか……」と呟いた。思考回路がよくわからないので、“そのこと”というのが何を想像しているのかわからない。考えられるのは2つ。1つは「向こうのご両親に『娘さんをください』というから緊張している」。もう1つは「愛する人が同性だから、この恋路をどうしていいかわからず悩んでいる」。答えはどちらでもないよ、父。

さて、先週と今週でピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団の公演に行った。先週は「パレルモ、パレルモ」、今週は「フルムーン」。「パレルモ、パレルモ」は冒頭で高さ5m幅14mの巨大な壁が一気に崩れるところから始まる。今まで日本国内でこれができる劇場がなかったのだが、昭和音大のテアトロ・ジーリオ・ショウワのオープンで見られるようになった。際立っていたのはmorioさんがいうように、人間という生き物がもつ残酷なまでの滑稽さ。そして反復の多さだった。表現者としてのピナ・バウシュは、とても誠実な作り手だと思う。とても繊細なのだけれど、とても強く、熱く、冷静だ。とても鈍感で弱い人間であるあたしは、ピナたちが作品に至るまでのディスカッションで出てきたこと、伝えたいことのほんの少しでもわかるような気がしないのだが、そこには確実に見る前と違う刺激がある。それがどういう刺激でどういう変化を自分にもたらしているのはわからない。もっとも効能がはっきりするような短絡的な話でもないのだ。何かが響く。それが何かはわからないのだが、ズボッと体に入る。それで十分いいと思う。

「パレルモ、パレルモ」がかなり演劇的要素が強かったのに比べ、今週見た「フルムーン」の方はダンス的。こういう言い方は語弊があるが、「パレルモ、パレルモ」よりわかりやすかったのではないだろうか。人間の持つ弱さ、妥協、ディスコミュニケーション、絶望的な状況の中で生きる悲哀、不条理ともいえる断絶……とまあ、いろんな文字を書いてみたが、同じような言葉を書いているような気がしないでもないが、水を使った演出はたいへん素晴らしかった。見ている途中から妙に涙が止まらなくなってしまい、あたしはもっと生きたいなと思った。別に“死にたかったのにもう少し生きようと思った”という意味ではない。いい加減なことや中途半端なこと、妥協、嘘、汚い感情、弱い感情が山積みで毎日を過ごしていることに自己嫌悪を抱いて、それでも目先の楽しいことにうつつを抜かしていきていることに、また自己嫌悪を抱く毎日で、さらにそれでも楽しけりゃいいやなんていう言い訳をしながら生きる……ということの繰り返しの日々。そこから抜け出したいのだが、抜け出すには自分が一歩進むしかなく、話は冒頭に戻るのだが、その一歩は、決して同性同士の結婚ということではないのは明白。

★このせいで、あたしは感想を書けなくなったのだ!morioさんの「パレルモ、パレルモ」日記。
| comments(6) | trackbacks(0) | 00:12 | category: 歌舞伎/ダンス |
# スポンサーサイト
| - | - | 00:12 | category: - |
コメント
水の芝居はいかがでしか、と強引に何かを引き出そうとする罠。
| morio | 2008/03/31 3:00 AM |

>morioさん

水の方も一緒に見たかったです。感想を聞きたかったなあ。来年も是非。
| タコ | 2008/03/31 3:11 AM |

都市の物語だった「パレルモ」と自然が舞台の物語(ですよね?)である「フルムーン」は、ピナが意図的に二つを対にして今回持ってきたんでしょうか?
後者についてはパンフレットを読んだだけなので、そこがとても気になってました。仮にそうだとすると、やはり二つを続けて見てこそ伝わってくるものがあるはずで、ものすごく惜しいことをしたなと、タコさんの感想を読んであらためて感じています。丑三つ時に。

上のコメントの「いかがでしか」ってなんだよ!>自分
| morio | 2008/03/31 3:35 AM |

>morioさん

こんなダウナー日記でスミマセン。
しかもコメント催促しちまったようで恐縮しとります。

ここ数年いつも2公演やってるんですが、“対”というほどではないので必ずしも両方見る必要はないけれど、毛色の異なる2つをやってる印象はあります。
もちろんテーマに共通する部分はあり、演出もピナ・バウシュの手法ではありますが。
でも。次回は是非2公演見ることをおすすめします。

今回は「フルムーン」の方が、希望、愛、歓喜なのかなんだかわかりませんがそういう要素をダイレクトに感じたので、公演の順が「フルムーン」→「パレルモ」でなくて正解だなと思いました。
| タコ | 2008/03/31 4:12 AM |

お父様…!
タコ姉様と同じくらいお会いしてみたい…です
| ayasa | 2008/03/31 9:45 PM |

>ayasaちゃん

恥ずかしいんで門外不出です。
| タコ | 2008/03/31 10:13 PM |

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://taco.jugem.cc/trackback/1053
トラックバック
Selected Entry
Profile
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Search this site
Sponsored Links