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# 言い訳を考えながら本を買う
一昨日、立ち読みに行ったはずの本屋で萩原朔太郎「月に吠える」の愛蔵版を買った。初版と同じ装丁で、表紙と口絵を担当しているのは田中恭吉、そして恩地孝四郎。田中恭吉が描いた表紙の絵が、2日前にビールを呑みながら描いた落書きにそっくりでびっくりした。まあ、あたしの絵の方はひとつひとつの筒が切断されている上に、全体の形も三角ではなく逆向きの台形なのだが。去年からちょっとばかり当時のことを調べているので、恩地孝四郎なんて「おー!まただ!」と勝手に親近感が湧く。本当は川上澄生が装丁した萩原朔太郎の「猫町」が欲しくて、そのことが頭にあったのに、まあ、いいや「月に吠える」で。と思ってしまったための散財だ。でも、「月に吠える」もきちんと読んだことはないので、いい機会だと自分を褒める。読んだことのない割にはこの題字と言葉だけでも大好きで、この「月に吠える」を見るたびに、あたしの肝には何かが座るのである。乱暴に言えば、グッと来るのだ。



そういうグッと来るモノや文字や模様に出会った時、やっぱり手元に置いておきたくなるので買う。モノの場合は机の周りにゴロゴロ置かれ、紙の場合は机の前や横にペタペタ貼る。会社でも一緒で、もう席が角なものだから、自分のテリトリーでない壁や書棚にまでペタペタ貼っている。「最近さ、そういうのを買って手元に置くのって大事だと思うんだよ」と友人に話したところ「あたしたちはさんざんそれで失敗してきてるじゃん」と返された。もっともである。お互い、モノが多過ぎて部屋が一向に片付かず、毎週末延々と片付けに追われている。スクラップ好き・蒐集好きで、資料集めが趣味。それが昇華される日が来そうにないが、趣味は資料集めってことなら誰も文句言うまい。言わせまい。しかし、毎度同じようなジャンルの本を買っている割には、全く知識として身に付いてないのも気になる。どうしても同じようなジャンルの本を買うのは「これは自分のテーマだ」というのが決まっているつもりなんだけど、それも結局モノとしての本が好きなだけで中に書かれていることに興味ないのだろうか。そんなつもりはないのだが、読んでない本は増えるばかりだ。

あと昨日買ったのは吉本隆明の「日本語のゆくえ」。東工大での講義の内容を載録したもので内容が薄そうなのが気にかかったのだが、立ち読みレベルではいくつか面白そうなことが書いてあった。これが平積みになった目の前の棚に「月に吠える」がささっており、先に「月に吠える」を小脇に抱えたことで気が大きくなったのだろう。あとは、ちくま文庫から出ている吉田健一の「酒に呑まれた頭」。“吉田健一のエッセイ”という時点で、個人的には手堅く無駄遣いの範疇に入らないのだが、これはタイトル買いだ。「酒に呑まれた頭」、最高ではないか。酒は、呑んで呑まれて、呑まれて呑んで、である。呑むと飲むにどういうニュアンスの違いがあるのか知らないが、あたしの中では気乗りのしない場は「飲む」、プライベートな酒は「呑む」であり、酒を飲みたいと思ったことはないが、酒を呑みたいとはよく思う。もう1冊は“今さら!”とお叱りを受けそうなのだが、同じくちくま文庫の「尾崎放哉全句集」。ネットで全句を拾ったため、本を買わなくていい気になっていたのだが、見たら随筆や書簡も入っていたので買った。昔に買った講談社文芸文庫の「尾崎放哉随筆集」と並べて置いておきたいのだが、随筆集はいったいこの部屋のどこにいるのだろうか。

確定申告の資料を整理しながら、これから買った書籍のタイトルくらいどっかにメモしておきたいなと思いました。以上、購入した本の言い訳でありました。
| comments(4) | trackbacks(1) | 23:54 | category: 本の話 |
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コメント
「本は増えても、知識として身に付かない」というのは耳が痛い。
だから写真の本の題字「月に吠える」が「耳に吠える」に見えたのかも。くだらないことを言ってます……(反省、のフリ)。
| morio | 2008/02/12 3:52 AM |

>morioさん

「耳に吠える」、バイオレンスな感じがいいですね。
あ、吠えたのはあたし?吠えられてるのもあたし。
と、やってると、古典落語「粗忽長屋」のオチになりそうなのでこの辺で。

今さらながら「尾崎放哉全句集」買ったんです。そのご褒美に、今後買った本はmorioさんに倣って、ここに記録していいですよね?というのが上記エントリの主旨です。まねっこします。よろしくどうぞ。
| タコ | 2008/02/12 8:56 AM |

日本語のゆくえ、はオレも気になってるよー
死にかけて以降、
あなたの着たコムデギャルソン以上に
ポップになったヨシモトさん、ステキでつ♪
| いぬわん | 2008/02/22 10:11 PM |

>いぬわんさん

久しぶりでーす!
日本語のゆくえ、今週末読みまーす。
読んでね。

とにかくステキな日本語を書きたいと切に願う今日この頃、もうそろそろ散文は止めて自閉体(C)でいこうかと思う。
| タコ | 2008/02/23 1:52 AM |

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『猫町』萩原 朔太郎 (著), 金井田 英津子
猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかり。いつもの角を曲がったら、そこは夢現・無限のめまい町。ノスタルジックでモダーンなイラスト紀行。
| Anonymous-source | 2008/02/19 11:44 AM |
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