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# キク科の100円鉢で宗教論争
先日、母が通っている病院のバザーで、鉢を4つ買って来た。コスモスやナデシコやらのほか、黄色い小さな花をつけるキク科であろう鉢を2つ。その名前不明の鉢のひとつが、何やらヤバい状況になってきたのが連休前のこと。水やりをサボっていたからだな、と水をやったらやり過ぎたようで、明らかに根腐れっぽい症状になった。水をやらずとも土がぐじゅぐじゅしている。葉は枯れ、新しい息吹があるかと思えば瀕死……。家に帰ったら、もう葬って成仏して欲しいという状態にまでなっていた。

あまり大きい声ではいえないのだが、園芸の知識も何もないくせに、植え替えやら剪定やらやたらいじるのが好きなので、この状態に萌えた。もとい、燃えた。すっかり涼しくなってはいるので植え替えにはどうかと思うのだが「これは緊急オペが必要であーる!」とスコップと剪定バサミと培養土と鉢底石と鉢を用意。新聞紙の上に鉢の中身をぶちまけた。正確にはぶちまけるのには湿り過ぎていて、ぐちゃっと出てきた。おおおおーーー!根が黒い!根腐れ根腐れ!ぐちゅっとしてるーーー。すでにたっぷりと腐った根は、本体から離れていた。土(というか泥?)に根はいっぱい混じっているのだが、整理すると、本体にちゃんと付いている根はわずか5cm、かろうじて白い。が、あまりに細い。新しい鉢に鉢底石と培養土を入れ、植え替えてやった。少しは呼吸が楽になったろう。

しかし、もう自力で立つ力のない茎はぐにゃりと曲がり、支柱を立ててやらないことには地面に立つことは不可能。さらに痛んだ葉や死んだ茎を始末したところ、傍目から見ると瀕死の中の瀕死。生きているとは思えないゾンビ状態。その植物はこう言った。「恥ずかしながら帰って参りました」。横井庄一氏であるね。あたしはヤツにこう言った。あんたにはまだ白い根がある。それこそがあんたの価値だ。帰ってきてくれてありがとう、と。まあ、無理矢理生きさせようとしてるんだけども。植物人間とはよく言うが(もう使えない表現なのかな)この植物はそれを超えた状態にある。かろうじてミイラではないが、即身仏になるためのビッグな修行中のような状態。では、このままこいつが枯れ果てたら、永遠の生命を獲得したと祝ってやらないといけないのだろうか。今の状態から復活したら奇跡である。じゃあ、復活は3日後……だっけか?

いったいこの名もなき植物が、仏教徒なのかイエス・キリストなのか、今後の生命活動によってわかってくるはずだ。100円の鉢だからと諦めるのが一番てっとり早いのだが、今はやることをやった満足感がある。今宵、鉢と別れる前に鉢に手を合わせて祈っておいた。自然と手は両手を組む形になった。両手の掌を合わせる形をとらなかったことで、自分の無意識下では、即身仏ではなく復活を望んでいることに気づいた。アーメン。
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# さよなら雑草ども!
ベランダに何か緑色の物を塗るらしく、大工さんがしょっちゅうやってくる。おまけに「ベランダの植木を片付けてください」と言われた。ハードコア・ベランダーの名に恥じず、あたしのベランダは“あるがまま”かつ“やりたい放題”つまり“ノールール”な状態だったのだが、他人から見て枯れ木にしか見えないものを泣く泣く処分することになった。まあ、事実大半は枯れているのだが。

元々ヌシであったものの枯れ草のまわりに雑草が生え、そのまわりに水などやってないのに苔までぎっしりはびこっている様子が気に入っていた。隣の鉢に蒔いたはずのローズマリーがうっかり伸び、背を高くした状態での枯れた立ち姿がたいへんいい。しかし、狭い自室に入れることを考えると、その手の鉢はすべて処分しなくてはならない。

どうしても雑草を抜くのをためらってしまうのだ。鉢をいっぱい並べられた頃は、抜いた雑草を空いた鉢に植え替えたりしていた。我ながらアホだなあと思ったのだが、いとうせいこうの「自己流園芸ベランダ派」を読んだ時、雑草の植え替えをするのが自分だけでないことを知ってうれしくなった。やっぱりあたしといとうせいこうって似てると、何がやっぱりだかわからないままに、にんまりした。いとうせいこうが雑草の寄せ植えがすぐ枯れたことを書いていたのには、そうなんだよ、と激しく頷いた。わかるわかる、と。しかし、あたしは今回のベランダ改造を機に、心を鬼にして雑草の集会所となった鉢を捨てたのである。

結果、こうして整理すると大した鉢が残っておらず、やたら多いのは「偽海葱」という、タマネギからニョキッと細長い葉が伸びてしまったような植物のみ。これは大きくなるとタマネギの側面に小さな枝豆の中身のようなものをいっぱい付ける。で、その枝豆ひとつぶひとつぶを植えてやると、いとも簡単にまたタマネギに育っていくのだ。で、派手さがないので、いっぱい並んでいても全くうれしくない。伯父が、妹である母にくれた植物だ。伯父はある日突然亡くなったが、この植物はその後もやたらに増えている。きっと伯父も数鉢目までは喜んでいたものの、その増え具合にうんざりしたのだろうと想像する
。今度墓参りに行ったら報告してやろう。ちなみに偽海葱は、オルニソガルム・カウダーツムというらしい。何にもカスッてないのだが、ちとエロい名前。しかし、実態はまったくエロのかけらもない姿だ。同様に、人間がエロだエロだと猥猥騒いでいるものの大半は妄想が膨らんだ末のエロであって、無駄なエロを削ぎ落としていったコアな部分というのはまったくエロさのかけらもないのだよなあと思う。

さて。ベランダをバリケード封鎖されている期間、あたしに残された道は何かと考えた。今はもう秋。つまり種まき期間だ。近所のスーパーに行ったら「今が植え時です!」というPOPの前にチューリップの球根が並んでいたので、2種類10個買った。うっしっし。まだ暑い日があるので、籐の籠に入れて涼しいところに置いておくことにした。ネットで調べたところ、根の疼き時が植え時らしいので、毎日球根の尻を見張り、ウズウズしてそうだったら、培養土に挿してやることにした。ついでに観賞用の唐辛子も買った。コロコロとした濃い赤と紫の実を結んでいるのが、かわいい。それでも飽き足らず、今日は多肉植物を増やす実験にも着手した。結局、買ってきたものをただ並べるだけではイヤで、自分の手を汚したい、土を触りたいというのが一番の目的なのだ。しかし、園芸本片手にやっているものの、ほとんど知識がないものだから、寄せ植えすれば元気がなくなり、肥料をやればやり過ぎ、適当な株分けで生命力を奪い……そんなことを繰り返している。これでいいのだ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:36 | category: ハードコア園芸 |
# ヤモリ降臨


昨晩、我が家の窓にヤモリがペッタリ張り付いていた。4階までよく上がってきたなあ。近づいて見ると、エラの部分だけふくらんだりしぼんだりしていた。呼吸しているのか。で、時折ペタペタペタペタと上に向かって移動していく。見ているだけでちょっと粘着っけのある足の感触が伝わってくる。いっそのことガラスになってその感触を味わえたらと、窓ガラスに軽い嫉妬をおぼえる。しばらくしてまた見に行くと、50cm上方へ動いていた。またしばらくすると、窓の向こうからその姿は消えていた。さらに上へ行ったのだろうか。うちに4階より上階はない。

以前、大雨の日にカエルが張り付いていたことがあった。この時もよく4階まで上がってきたなあと感心しただが、数日後、ベランダから干涸びた遺体となって発見された。なんだか哀しかった。ヤモリには生きて欲しい。
| comments(3) | trackbacks(0) | 10:47 | category: ハードコア園芸 |
# 7時間のベランダワーク
5月からやらねばと思い続けたベランダ作業にようやく着手。この炎天下、環境を変えられる植物たちは気の毒だと思うが、飼い主の事情がある。飼い主はムラっ気もある。仕方なし。

まずは、室内に放置していたジャックをベランダに出す。

徒長してるよね…これ。ひょろっこひょろっこ。ガツンとした大きなヤツに育つよう、少し大きめの鉢に植え替えた。(2週間前のジャックはこちらこちらこちらでご覧ください)

■かつてマンショの首が乗っていた小型ヒマワリ(105円)は瀕死。おそらくニセえもんを乗せた際に某国の有害物質が触れたためだと思う。
■「一緒にお風呂に入りたい!」というシケた愛情のためにお風呂場に置かれ続けたシュガーバイン(210円)とカラジウム(525円)は元気なし。萎えている原因は、決してあたしの裸体を見続けたためではない。高湿度に弱く、日光に当たりたかったのであろう。と、思いたい。
■放っても放ってもなぜか何年も花を咲かせているデイジー系の黄色い小さい花(105円)に挨拶。雑草をとってやる。
多肉植物やサボテンは小さい鉢が多くて面倒なので、寄せ植えにしてみた。枯れかけたサボチンにはかなり乱暴な我流オペを施した。きっと良くなると思うのだが。
■数年来増え続けて仕方ないトックリラン。放っておくと鉢いっぱいに株を増やすので、再びたくさんの鉢を用意した。こいつらだけで何鉢あることやら…。

そんなこんなでランチ抜きのまま、植え替えをしたり、根っこを切ったり、土を作ったりいろいろと夕方まで。途中でパン屋に行くためにお風呂に入り、外へ出た。パンに加えて、ポーチュラカ(525円)とコッピー(1165円)ほかアイスなど購入。


これがポーチュラカ。比較的キレイな形だったのに、お店の人が白いポリエチレンの袋に無理矢理入れるもんだから変形。かわいそうに。花の色が濃いところと肉々しい葉や茎が好み。つまり自分と似た花が好きなのね。


ポーチュラカは生命力が強いんだって。折れた茎から根っこが生えていた。これを見てすっかり根拠のない自信をつけた。白い鉢から全ての株を出し、バラバラにし、プランターに植え替えた。さらに邪魔な茎を何本も切って、プランターの土に挿した。こうして置くと根を生やして根付いてくれるに違いないのだ。殖やせ殖やせ殖やせ!殖えろ殖えろ殖えろ!

そして本日よりうちにやってきたのが2匹のコッピー。スーパーの店頭でどれがいいかなと覗いていたら、おばちゃんがきて、コッピーの並んでいる棚ごとガタガタ動かし、反応を試した。「ちょっと、勘弁してやってよ…」と言ったら無言でどこかへ行ってしまった。なんだか可哀想なので買ってやった。もしかしたら、あたしに飼われるのが一番気の毒な気がしたけど。


我輩はコッピー、名前はまだない。「エサをすごくいっぱい食べるんですよー。今日はまだあげてないんですけど」「じゃあ、早く家に戻ってエサあげなきゃなあ」ととレジのお姉さんと会話したのだが、その途端、自分が空腹感を憶えた。やっぱり自分のエサの方が優先。帰宅後30分してからエサをあげると、アホのように食べ続けていた。生きますように。
| comments(4) | trackbacks(0) | 20:28 | category: ハードコア園芸 |
# ご成長いただき有難うございます。
ア、ア、アー、本日モ成長ナリ。またこれかよ…と呟かれてもめげません。



実は、明日から4日ほどジャックに会えないのだ。こんなラブラブな時に(一方的だが)会えないなんて人生はあまりにも残酷。
| comments(2) | trackbacks(0) | 01:13 | category: ハードコア園芸 |
# バンザイポーズで誕生
帰宅後、ジャックに異変が。

もう立ち上がっている!仕事を休んで、片時も目を離さずに立つ様子を観察してればよかった。悔やまれるが、素直にうれしい。


横から見ると、飛び出してバンザイをしてるようだ。ザリガニのようでもある。生まれたことを体全体で喜んでいるかのような姿は、飼い主冥利に尽きる。
| comments(4) | trackbacks(0) | 00:22 | category: ハードコア園芸 |
# ジャックのメヂカラ
一昨日の夜、スーパーマーケットでジャックと豆の木を買って来た。初めて育てたのは3年前。北海道の雑貨屋で4cmくらいの栗のような大きさの緑の豆を買ってきて、植えた。水をやりながら毎日、早く割れ目を見せろー、割れ目ー割れ目ーと唱えていたら、なんだかプックリしてきた。今日こそは今日こそはと念じながら毎日観察していた。いつ見ても、行きそうで行けないもどかしさで、そのうちジャックはやる気を失い、萎え、黒ずんで小さくなってしまった。そう、腐ってしまった。しわしわの黒ずんだ豆を生ゴミに放り込んだ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏の天上天下唯我独尊。結局、あたしの送った念が黒かったのか、単に芽ヂカラが弱かったのか、今となっては知る術もない(初代ジャックの話はコチラ)。以来、どこかでジャックを見かけても自分から近づいていくことはできず、ジャックはあたしの唯一のトラウマとなった。

しかし、買ってしまったのだ。なぜか。前回は豆(種?実?)だけ買ったが、今回は鉢付き。その分、ちょっと弱気というかなのだ。しかもナイショだけど、すでに割れ目の兆候が感じられるものを選んだ。少々、そんな自分が嫌いになったが、パックリ割れたのを選ばなかったところは好きだ。この植物の名前、今回は「カスタノスペルマム」と表記されている。声に出して読みたくない植物。っていうのは冗談だけど、毎日割れ目が大きくなってうれしい。

このジャック、一度芽を出してから安定してニョキニョキ伸びると、もう割れ目は割れ放題、何の面白みもない植物になると思われる。おそらく。可愛がってやるのも、ジャックがエロいうちだけだ。でなく、ジャックが成長著しいうちだけ。がんばれジャック!

昨晩のジャック。くっきり割れ目が出て来て小躍りする。意味不明なウサギの絵がかっこ悪いけども気にするな。


10分前のジャック。割れ目から小さな芽が顔を出している。3年越しの溢れる想いに、思わずヨリヨリで撮影。
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# 成長するのは我ばかりでなし。
肥ゆるのは、あたしばかりではない。ここ数日、雨が降ったりしていたからか、行き帰りに目にする植物の勢いがいいような気がする。水を注がれ、太陽に照りつけられ、植物のギラギラとした生命力を感じる。あたしも水を注がれ、太陽に照りつけられたい方だ。なんだかとっても羨ましい。道路脇の植え込み、街路樹。歩道は広いのについつい植え込みに沿って歩いてしまう。目は脇の緑に吸い寄せられ、前なんて見て歩いてない。そこへ自分の名前が呼ばれ、ハッと我にかえることしばしば。会社の人が前から歩いてきても気づかない。花の名前は詳しくないのでわからないが密生して咲く小さな花がかわいい。その小さな花を覗くたび、沈丁花を思い出すのだ。沈丁花、その中国由来の名前が好きだ。あの強過ぎる芳香も好き。あの小さいくせに肉厚な花の感じも好きだ。もう沈丁花の季節はとっくに過ぎたというのに、毎朝その小さな白い花をみるたびに沈丁花を思い出し、鼻腔の奥に一瞬あの香りを嗅ぐ。最近はそんな毎日だ。

春は種まきをする余裕もなく、初夏はあっという間に過ぎ去ろうとしている。来たるべき夏の遊びに向けて、浮き足立っているかのようだったが、この落着かなさは成長期だからではないだろうか。今日、仕事しながらふと思った。すでに思春期を迎えた身、ではなく、とっくに思春期から遠ざかった身である。成長イコール老いなのか。しかし、きっとあたしは成長期。ほら、こうしてまだまだ肥えていくではないか。いや、自虐はやめよう。とにもかくにも落着かなくなって、仕事帰りにスーパーで安い鉢を買うことにした。夜10時。空いている店はスーパーしかない。財布をのぞけば1500円。何か買おう。何かの植物をあのスーパーの劣悪園芸コーナーから救い出してやろう。そう決意した。

スーパーの園芸売り場は入口脇、一日中日の当たらない一角にある。園芸売り場のすぐ脇は喫煙コーナーだ。こんな時間に園芸コーナーに佇んでいる人間は1人しかいない。葉に顔を近づけてじっと眺めたりしているもんだから、怪しかったのだろう。数人の視線を感じたがこちらは真剣なのだ。ここで買う植物はたいてい株から弱い感じだ。「生まれてこの方、愛情なんて知りません」といった孤独感を漂わせている下層植物たち。ここで買ったことは今までたった1度だけ。アジアンタムを買った。売り場の端に放置されていたのを105円で買ったのだが、それはそれはよく育ち、800円相当になった。今年の冬、無断で母の手で葬り去られたのだけれども。あたしが気づけば何とかできたのにという気持ちがいまだに強く、まあ多分何もできなかっただろうけど。安価だけどすくすく育ったアジアンタムの継承者をここで探すのはいいだろうと思った。ここには華やかでファッション性の高い品種なんてありゃしない。それよりも元気に育ち、日々、生命力を感じさせてくれることが第一なのだ。4畳半くらいのスペースをぐるぐる廻った挙げ句、2つ買った。500円ちょいのカラジウムと200円ちょいのシュガーパイン

2000円もっていたら、大好きなブーゲンビリアを買っていたに違いなく、お金をおろさなかった自分を、今日のところは褒めてあげたい。しかし、ブーゲンビリアの鮮やかなフューシャピンクが瞼から離れない。おまけに至る所にブーゲンビリアが咲いていたエーゲ海の島々の光景──燦々と照りつける太陽と潮の香り、白壁と青く塗られたドアや窓枠、灰色の石畳、太ったおばちゃん、路地を我が物顔で行き来するノラ猫──いろんなものまで見えて来る。ああ、明日買うだろうなあ。連日スーパーで鉢を買う女になるだろうなあ。

800円の買い物をぷらぷら下げて家に戻ると、目の前の空き地にノラ猫が4匹ちょこんと座っていた。ミコノスのノラ猫ではなく、場末のノラ猫。孤独な住人たちが夜な夜なエサを持ち寄って可愛がり、よく肥えたノラども。キラキラした瞳であたしをじっと見ていた。この袋には食べ物入ってないのだと日本語で諭すと落胆気味である。ブーゲンビリアを買ったらこのノラどもは喜ぶだろうかと思ったが、よく考えたらヤツらはエーゲ海も知らなければ、海も見たことない、川も見たことない土着ネコ。この街で成長してどこかでひっそり死んでいく存在。また、近所を徘徊する10匹以上のノラのうち、どれか2匹は我が家の2階で無断で産み落とされた兄弟に違いなく。

あたしも植物もネコたちも。いざ成長、の夏が来る。
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# 気にしませんよ、植物は。
家に帰って来て、ころんと横になり本を読み始めたら、いつのまにか眠っていたようだ。日付が変わる頃にお風呂に入ろうと居間を通り過ぎると、熱心に韓国ドラマを見る母がいた。母に言わせると「別に熱心に見てるつもりはないし、面白いとも思わない」らしいのだが、どうだか。お風呂から上がり先ほどの本の続きを読み、読み終え、喉が渇いたので豆乳を飲み再びベッドに入ったのだが眠れず。ただただ暑さだけを感じたので再び起き上がり琉球もろみ酢を飲み、もしかしたら先ほどの豆乳は胃の中で湯葉みたいになってしまったのではないかと思う。このもろみ酢の酸で。もう1冊本を読もうかと思ったが、明日は朝から仕事だ。再びベッドの中でころころしながら、いろんなことを考える。いとうせいこうと伊藤比呂美とあたし(すっかり仲間気分)は園芸の趣味・嗜好が似ているとか。

伊藤比呂美が書いているところによると、それは出自の影響があるのかもしれないと。道ばたに無秩序に並べられて育てられる鉢植え。育てるというか置かれているだけに近い感覚。飼い主は愛情があるのかないのかわからない。それは素敵な鉢に植えられず、時折、発砲スチロールの箱に入っている。枯れているのか生きているのかわからない。伸び放題で異形のものとなったアロエ。恐ろしい生命力で上に下にこぼれるように繁殖している多肉植物。ちなみに我々3人(すっかり仲間気分)の出自は足立区・葛飾区・板橋区。美しく寄せ植えをしているおうちも勿論あるし、あたし自身も家の前には美しい寄せ植えをあしらってみようと目論んでいる。3年くらい目論んでいる。

今、うちの前には紫陽花が咲いている。あたしの背丈くらいの高さ(と言っても、面識のない人はあたしの背丈が80cmなのか230cmなのかわからないだろうけど)と1mくらいの幅に育っている。7〜8年前の母の日に祖母にあげた鉢植えの紫陽花だ。祖母がうちの玄関先に植え替え、そこからすくすく育っている。祖母が死んでもすくすく育っている。立派なガタイと色の濃さは素晴らしく、この時期になると近所のオバちゃんたちが足を止め「あー」とか「まあ」とか感嘆する。もともとその紫陽花の居場所に何があったのかすっかり忘れてしまったが、土の手入れもしたことないような花壇だ。おまけに紫陽花の季節が終わると、父かあたしかパートのおばさんの手により、ざくざくと容赦なく切られる。あまりの乱暴な切りっぷりに、もう翌年は紫陽花が咲かないかもと思うのだが、春を過ぎるとまた暴力的に伸び、暴力的に大きな葉を生やし続け、暴力的に大きな濃い花をたくさん付ける。

あたしのベランダ園芸も暴力的だ。生きているものと死んでいるものが混在し、枯れているものは枯れっぱなしになっている。この乱暴な感じがなんともいえず好きだ。

伊藤比呂美がいとうせいこうのベランダに案内された時の話をこう書いていた。
しかし見ましたのは、死屍累々、どれも悲惨な状態でした。そこには繁茂も繁殖もなく、花も咲いていませんでした。このベランダには、死をいとおしみたい欲望があるように思えました。植物の群れが、その欲望に粛々としたがっておりました。植物と男とは、心中しかけているようにさえ見えました。

うまくいかないのにどうしても買ってしまうというものはあります? とわたしはききました。
シャクヤクです、と園芸家はそくざにいいました。
どうせ滅びるものを、だめに決まってるのに買っちゃって、無意識に、あえて死ぬところに置いてしまうのかもしれません、殺したいのかもしれません、いくつ枯らしたかわからない、これももう抜いてやらないと、といって園芸家は、干からびたシャクヤクの死骸を、わたしに見せました。
気にしませんよ、植物は、とわたしがいいました。
気にしませんよね、植物は、と園芸家がうなずきました。
植物にとっての「死ぬ」は「死なない」で「死なない」は「生きる」なんですもの、とわたしはさらにいいました。
そうですよね、殺してもいいんだ、殺しても、「死ぬ」をかなしいと思いおそろしいと思う人の心は植物にはあてはまらないんだろうな、と園芸家はにっこりとしていい、それから、思い出したように、ぽつんといいました。
タナトスが。
ちょっと黙って、またそっとくりかえしました。タナトスというかね。
そして口ごもりました。ほんとうだろうかそんな馬鹿なことがあっていいのだろうかと自問している心の動きが伝わってきました。

気にしませんよね、植物は。
| comments(0) | trackbacks(0) | 02:57 | category: ハードコア園芸 |
# 雪の日。花咲くサボチン
昨日、雪の中、サボチンが花を咲かせた。



先日、新入りの多肉ちゃんを紹介した時に「サボテンは、ペクチニフェラという種類がタコさんにはお似合いと思われ。色合いが角度によってミステリアスに変化する、サボテン界の魔女。」と、とりくんがコメントしてくれた。あたしは「色合いが角度によって変化するミステリアスなタコさんにはペクチニフェラがお似合い」と確信犯的に誤読。すっかりその気になっている。次はペクチニフェラだ。
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